皆さんこんにちは!
災害医療大学です。
トリアージは災害医療の中でも一番有名なものではないでしょうか?
ドラマだったり講習会だったり、CSCATTT・・・様々なシーンで聞くことがありますね!
皆さんは「トリアージ」という言葉の起源・歴史はご存じでしょうか?
災害医療におけるトリアージとは何かご存じでしょうか?
まず始めは「トリアージの歴史と災害医療のトリアージ」です。
「トリアージ特別講義まとめ」はこちら!
災害医療のトリアージとは?
トリアージの意味が分かっていなかったらしかたがないので、
まずは災害医療における「トリアージ」をおさえましょう!
一言で「トリアージ」といってもたくさんの場面で使われています。
例えば救急外来や、災害医療です。
共通点としては「優先順位を決める」
つまり、トリアージとは症状を客観的に判断して治療や搬送の優先順位を段階付けすることです。
今は、赤色や緑色に振り分けるんだな~
くらいにとらえて下さい。
トリアージの詳細、トリアージの種類は後の講義でお話しします。
トリアージの起源
では次にトリアージの語源を見ていきましょう!
トリアージといったらフランス語で「選別」を意味する。
というのは聞いたことがあるかもしれません。
その言葉の通り、羊の革などの品質をトリアージ(選別)していました。
牛肉でいうところのA5:A4:B5のようなものですね!
「それ今のトリアージの使い方とは違うやろ!」
と思いますよね。
実は「トリアージ」といっても大きく分けて3つの使い方があります。
「戦争のためのトリアージ」
「あらゆる区別をなくし医学的に行うトリアージ」
「通常時から行う救急医療のトリアージ」
歴史と一緒に見ていきましょう!
戦争のためのトリアージ
時は1800年。 今から200年前の話です。
ヨーロッパを中心に戦争が絶えなかった時代ですね。
当然戦争をしているから負傷者が出ます。
あなたならだれかれ構わず医療を受けさせますか??
戦争の目的は勝つこと。
敵を助けるくらいなら味方を助けます。
下級兵を助けるなら上官を助けます。
早く戦線に復帰できる人を優先します。
戦争に勝つための間引き(トリアージ)としてフランス軍で正式に取り入れられました。
敵味方、身分の差をなくし医学的に行うトリアージ
人道的に敵味方、身分の差をなくし医学的に区別(トリアージ)して治療を行う
ということですね。
この意味でのトリアージもフランス軍で採用されはじめました。
あくまでも撤退・退避を念頭に置いたトリアージとされています。
いかに早く連れ帰り、救命するのか?
トリアージにかかる時間が少なく、効率的に安全地帯に撤退できるようにしたようです。
現在の災害医療におけるトリアージは
この意味でのトリアージをさらに効率化・発展させたものととらえられますね!
敵味方関係なく、身分も関係なく救護するということで、
赤十字は国際法で攻撃が禁止されています。
日本救急医学会雑誌で詳しく掲載されていました!
通常時から行う救急医療のトリアージ
救急救命室にたくさんの人が運ばれた時などに日常から行われます。
救急外来等ではあるあるだと思います。
外傷初期診断ガイドラインに掲載されていて、
ABCDEアプローチを基に作られています。
災害時でない時から行われているので、
災害医療におけるトリアージとは言えません。
(トリアージの方法としてはほぼ同じです)
トリアージの日本史
世界的には大昔からあることは紹介しましたが、いつから日本でトリアージが入ってきたのでしょうか?
通説では明治21年に森鴎外がヨーロッパからトリアージの概念を持って帰ってきました。
しかし、差別的な医療ということで採用はされませんでした。
明治21年と言えば1888年。大日本国憲法が発布される前年ですね。
その後何度も戦争を経ています。野戦病院では当然トリアージのようなシステムで運営されていました。
〈大けがしたら野戦病院へ→安定化→後方へ移送→医療資源が豊富な環境で処置〉
総括すると、トリアージとは呼んでいなくともトリアージっぽいものは戦争の中で培われてきました。
さて、以上が3つのトリアージです!
今後トリアージに関する講義が続きますが、
トリアージとはなにか?
をおさえ、学んでいきましょう!!
今後「トリアージ」は敵味方、身分の差をなくし医学的に行うトリアージとして使います。
では確認テストが終わった人から解散で~す。
確認テスト〈正誤問題〉
第一問 戦争に勝つためのトリアージは間引きの意味合いが強い
第二問 災害医療におけるトリアージは区別の意味合いが強い
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回答一 正しい
回答二 正しい
こちらの講義をどうぞ!
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