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トリアージとは 災害医療におけるトリアージ総集編

トリアージタグ黒赤黄色緑

新興感染症の関係で「トリアージ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

しかし、トリアージを間違えたとらえ方をしてしまっている方がいるのも事実です。

 

この講義では、災害医療大学でこれまでにご紹介してきたトリアージに関する講義をまとめて解説しています。

最後まで読み、「トリアージとは何か」「トリアージをする理由」などの基礎をはじめ、「具体的なトリアージの手法」「注意点」を理解する参考にしてください。

 

災害医療大学では、トリアージを知るだけではトリアージのスキルは身につかない!ということで、

トリアージの練習ができるページ、アプリを配信しています

ページ下部でご紹介しております。ぜひ練習問題などにチャレンジしてください!

トリアージまとめ
トリアージとは大量傷病者を重症度に応じて治療・搬送の優先順位をつけること
目的・理由現場の限られた医療資源を効率的に使い、防ぎえた災害死を防ぐ
優先順位1位:赤タグ、2位:黄タグ、3位:緑タグ、4位:黒タグ
一次トリアージSTART法:主に現場で使われ、歩行の可否・呼吸・脈・意識の4点を評価するトリアージ
二次トリアージPAT法赤タグと黄タグの傷病者に行い、生理学的評価解剖学的評価を行うトリアージ
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トリアージとは

トリアージとは、防ぎえた災害死を最小にするために行われる、「大量傷病者の振り分け」

一言で「トリアージ」といってもたくさんの場面で使われています。

例えば救急外来や、災害医療です。(コーヒーショップなどでも使われたりします。詳細は後述)

共通点としては「優先順位を決める」ことにあります。

 

トリアージとは「大量の傷病者の振り分けです。

少ない医療資源を有効活用し、防ぎえた災害死を最小にするために行われます。

治療・搬送の順番・優先順位を決めるため、重症であり、助かる見込みのある傷病者が優先されます。

 

少し詳しくいうのであれば、トリアージとは症状を客観的に判断して治療や搬送の優先順位を段階付けすることです。

トリアージの優先順位

トリアージタグ黒赤黄色緑
4つのトリアージタグと特徴

トリアージにおける優先順位は4つの色とともに、上の図のように決められています。

優先順位に従って搬送・治療を行うため、各色の傷病者はどのような特徴があるかは必ず覚えましょう。

    トリアージ区分優先順位特徴
    Ⅰ:赤タグ1位バイタルが不安定だが、急いで処置・搬送をすれば救命の見込みがある
    Ⅱ:黄タグ2位バイタルが安定しており、処置・搬送を待つことができる
    Ⅲ:緑タグ3位比較的軽傷であり、専門的治療が不必要
    0:黒タグ4位生命反応がない、直ちに処置・搬送をしても助かる見込みがない
    4つのトリアージ区分と特徴

    TRIAGEの読み方

    トリアージの語源はフランス語で、英語で表記すると「Triage」となります。

    トリアージはトリアージュと読まれることがあります。

    トリアージができれば災害医療は完ぺきという誤解

    災害医療といえば「トリアージ」といった印象がある人もいるのではないでしょうか?

    その感覚は半分正解で、半分不正解なんです。

    災害医療といえば何?と聞かれたら、学長自身「トリアージ」と答えると思います。

    しかし、災害医療はトリアージを極めるだけでは成り立ちません

     

    災害医療の大原則のCSCATTTでご紹介しておりますが、一番重要なのはCSCAで、その次にTTTです。

    CSCATTTとは何?という方はこちらをご覧ください!

    とはいえ、災害医療においてトリアージは重要な役割を果たしています。トリアージをきっかけとして災害医療を徐々に学んでいただけると嬉しいです!

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    トリアージの起源と歴史

    トリアージという言葉は知っていても、本来の意味はご存じですか?

    トリアージとはフランス語で「選別」を意味し、羊の革の品質などの選別として使われていました。

    「選別」から始まり、トリアージという言葉の意味は歴史と共に変化しています。

    戦争のための間引き〈トリアージ〉

    1800年代の戦争における医療では、「間引き」の意味でトリアージが行われました。

    戦争はあくまでも勝つことが目的です。

    敵よりも味方を、下級兵より上官を、戦略的に治療します。

    敵味方、身分の差をなくし医学的に行う区別〈トリアージ〉

    こちらも戦争に関係しますが、現在の災害医療で使われる意味に最も近いです。

    いかに早く安全地帯に戻り、救命するのかを念頭に置いています。

    通常時から行う救急医療のトリアージ

    現代の救急外来などでよくみられるトリアージです。

    外傷初期診断ガイドラインに掲載されています。

    トリアージの日本伝来

    日本にトリアージが輸入されたのは1888年です。しかし、差別的な医療ということで普及はしませんでした。

    トリアージを行う理由

    トリアージはなぜ行うのでしょうか?なぜトリアージが重要なのでしょうか?

    災害医療の特徴を元に把握しましょう!

      

    災害医療の特徴的な考え方に「医療資源を効率的に使う」があります。

    災害医療の現場においては「場所」「人」「物資」という、資源が足りていません。

    トリアージを行うことで資源を最高効率で使い、最大数の傷病者を救命する=防ぎえた災害死を防ぎます!

    7種類のトリアージと3つの分類

    トリアージはどこで行うのでしょうか?一度しかトリアージはしないのでしょうか?

    また、トリアージには方法がいくつもあります。

    トリアージを大きくわけると「場所による分類」「時間による分類」「方法による分類」ができます。

      

    場所による分類では、現場でのトリアージ病院でのトリアージに、

    時間による分類では、一次トリアージ・二次トリアージに、

    方法による分類では、START法〈スタート法〉・PAT法〈パット法〉・SALT法に分けることができます。

     

    一般的には、
    現場でのトリアージ = 一次トリアージ =START法
    病院でのトリアージ = 二次トリアージ = PAT法

    とも言えます。

    トリアージの基本的な流れ

    トリアージの基本的な流れは以下のようになっています。

    1. トリアージポストに傷病者を集め、トリアージを行う
    2. 各タグのエリアに傷病者を移動
    3. 各タグに合わせた対応
    4. 再トリアージの実施

    トリアージ単体を覚えたとしても、実際にどのような流れで行っているのかを把握することでよりイメージしやすくなります!

    トリアージに関する専門用語である、

    トリアージポスト:トリアージを行う場所

    トリアージオフィサー:トリアージを取りまとめる役職

    も覚えましょう!

    一次トリアージのSTART法

    まずは超有名なSTART法〈スタート法〉です。

    基本的に一次トリアージ現場でのトリアージに使われ、4つのポイントさえ押さえれば簡単に理解できます!

    重要なポイントは「歩けるか?」「呼吸は普通か?」「脈は普通か?」「意識はあるか?」

    START法トリアージ

    歩けるならば「緑タッグ」

    呼吸・脈・意識がすべて正常範囲内ならば「黄タッグ」

    呼吸・脈・意識の何かしらが異常値ならば「赤タッグ」

    息をしていない、助けることが厳しい場合は「黒タッグ」となります。

     

    スタート法はかなり覚えやすいトリアージの手法です。

    ぜひ初めて見た方も練習問題を解いてみてください。実際にトリアージをしながら覚えると定着が早くなります!

    二次トリアージのPAT法

    PAT法〈パット法〉は二次トリアージでよく使われるトリアージ手法です。

    生理学的評価・解剖学的評価の2つの評価を行います。

    PAT法トリアージの生理学的評価
    PAT法トリアージの解剖学的評価

    2つのチェックリストを把握すればPAT法を習得しやすくなります。

    チェックリストの項目のどれか一つにでも当てはまると「赤タッグ」

    どれも当てはまっていないならば「黄タッグ」となります。

     

    専門用語が多いので、こちらで解説しています。

    トリアージタッグとは

    トリアージタッグに関する説明だけでも量が多いので、上記のページに分けています。

    トリアージタッグとは何か、トリアージタッグの規格、何を記載するのか、トリアージをした後どこに付ければよいのかなどを解説しています。

    また、トリアージの色の解説もしています。トリアージには緑・黄・赤・黒の区分があります。

    それぞれの色がどんな意味を表すか知らないことには仕方がありませんね。

    緑タグ・黄タグ・赤タグ・黒タグそれぞれの特徴・優先順位を知りましょう!

    オーバートリアージとアンダートリアージ

    トリアージの判断に間違えは起こります。

    その間違え方によって「アンダートリアージ」「オーバートリアージ」と呼びます。

    アンダートリアージオーバートリアージではどちらのほうが問題になるでしょうか?

    もしもトリアージの判断に悩んだ場合は、より過剰なトリアージ:オーバートリアージをしましょう。

     

    アンダートリアージの問題点は、当該傷病者の治療・搬送が遅れることです。

    オーバートリアージの問題点は、医療資源を使いすぎることでトリアージポスト全体として資源不足になることです。

    つまり、アンダートリアージは直接命にかかわる問題になりますが、オーバートリアージは全体の命にかかわる可能性があるというだけです。

    再トリアージの方法

    トリアージは一回だけでなく、何度も行うものです。1回目ではないトリアージを再トリアージと言います。

    一回目とトリアージの区分が変わることもあります。

    より重症な区分になった場合は、トリアージタッグをもぎればOKです。

    より軽傷の区分になった場合は、新しいトリアージタッグを作り、古いタグにはわかりやすくバツ印を付けましょう。

     

    トリアージタッグは1回だけではなく、何度も書き加えることが想定されます。

    そのため、トリアージタッグの枠いっぱいに文字を書くのではなく、書き加えるためのスペースを空けて記載しましょう。

    このようなトリアージタッグの書き方はこちらで紹介しています!

    トリアージタッグの記載内容と書き方
    皆さんこんにちは!災害医療大学です! 今回はトリアージタッグの記載内容と書き方をご紹介します!トリアージタッグって何??という方はこちらをご覧ください!トリアージタッグの記載内容の分類世の中に流通しているトリアージタッグにも種類があるため、

    ここまで読んできたあなたはトリアージに関する知識はある程度ついていることだと思います。

    次のステップとして、トリアージに関する書籍を読んだり、研修に行ってさらにスキルを定着させましょう!

    ということで、トリアージをさらに学べる練習できるページの紹介です!

    トリアージを学べる書籍

    トリアージを学べる本・書籍4選‼
    トリアージを学べる本や書籍を知りたいですか?本記事ではトリアージを基礎から学べる初心者向けの書籍や、本格的に学べる専門書を厳選して4冊ご紹介しています。トリアージをさらに学びたい!という方はぜひ最後までご覧ください!トリアージを学べる本・書

    トリアージを学ぶことのできる本はたくさんありますが、入門書・専門書に分けて厳選した4冊をご紹介しています。

    学長自身が読んでみた感想と各書籍の目次を掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください!

    トリアージの流れを学べるノベルゲーム

    実際に災害が起きた時「どんな流れでトリアージを始めるのか」ってなかなか知るタイミングがないですよね~

    という流れで制作したノベルゲームです!

    ファンタジーの世界でトリアージをしながら「トリアージの流れ」「注意点」などを学べます。

    トリアージの練習問題

    START法のやり方はわかっても、練習をすることってなかなか難しい・・・

    ということで作っちゃいました!

    START法の練習はこちらのページでできます!

    トリアージ練習アプリ/災害医療クイズ

    携帯でいつでもトリアージの練習がしたい!

    アプリ限定災害医療に関するクイズに挑戦したい!

    という方はぜひ災害医療大学オリジナルアプリをダウンロードしてみてください!

    ※Googleplayにしか対応していません泣


    まとめ

    トリアージまとめ

    トリアージとは
    大量傷病者を重症度に応じて治療・搬送の優先順位をつけること

    トリアージの目的・理由
    現場の限られた医療資源を効率的に使い、防ぎえた災害死を防ぐ

    トリアージの優先順位
    1位:赤タグ(バイタル不安定)
    2位:黄タグ(バイタル安定)
    3位:緑タグ(軽傷)
    4位:黒タグ(助かる見込みなし)

    一次トリアージのSTART法
    主に現場で使われ、歩行の可否・呼吸・脈・意識の4点を評価するトリアージ

    二次トリアージのPAT法
    赤タグと黄タグの傷病者に行い、生理学的評価解剖学的評価を行うトリアージ

    最後までご覧くださりありがとうございます!

    ここまでトリアージを徹底的に学んだあなたは、「トリアージとは何か」について1時間の講義ができるレベルでしょう。

    災害医療はトリアージだけではありません。

    さらに災害医療大学で学び、未来の災害医療を担う人材になりましょう!

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