皆さんこんにちは!
災害医療大学です!
災害医療大学としておすすめのスキルとしてもご紹介した「クロノロジー」ですが、以下の8つのルールをご紹介しました!
- クロノロとは汎用性のある記録ツールである
- 本部を通り過ぎていく情報を時刻とともに記載する
- 本部に入った情報および指示事項を記載
- 発信元、発信先を明記する
- 専属の記録員をおいて、本部長、リーダーが書くことを指示する
- 定期的に本部要員で共有、見直し、方針を明示する
- 予定については、予定が立った時刻を記載し、その横に予定事項、予定時間を記載する
- 速やかに電子化する
基本的にクロノロはホワイトボードや、以下のライティングシートを用いて記載されます。
しかし、8番目のルール「電子化」についてご紹介していませんでした。
世の中には「電子版クロノロシステム」等もありますが、ルールの1番目「汎用性のある」に反するため、今回はご紹介しません。
「汎用性」があり、「共有」しやすく、「報告」もしやすい
という観点で災害医療大学では、「グーグルフォーム」を用いた電子版クロノロの作成をお勧めします!
電子版クロノロ完成図
報告画面:グーグルフォーム〈デモ版〉
グーグルフォームは誰もが一度は回答したことがあり、作成したことがある人も多い無料ツールです。
報告内容確認画面:グーグルスプレッドシート〈デモ版〉
※まだ4件しか登録していません。
グーグルスプレッドシートは複数人で情報を共有するのに便利です。
無料で使える上に、フォームとの連携も簡単です。
電子版クロノロ作成方法
今回はすでにグーグルアカウントを持っている前提で解説します。
アカウントを持っていない方は作成してください。
1:グーグルフォームを作成する
細かくは解説いたしませんが、
グーグルの検索画面右上の「・が9つ並んだボタン」
→一番下までスクロール
→紫色のアイコン「Forms」をクリック
→新しいフォームを作成の「空白」を選択
ここまでで、以下のような画面になると思われます。
2:フォームを作成する
基本的には完成図でお示ししたデモ版の内容を入力します。
基本操作については別のサイト等でお調べください。
2-1:タイトル設定
「無題のフォーム」をクリックすると編集できます。
デモでは、「クロノロ電子版デモ」としています。
2-2:質問の追加〈報告者〉
クロノロを報告する人〈入力する人〉を記入してもらう場所です。
「無題の質問」の横の質問のタイプを選ぶところから「ラジオボタン」を選んでいます。
頻繁に報告する人を選択肢として用意しておくと報告が簡単になります。
選択肢を追加 または 「その他」を追加 の部分の 『「その他」を追加』を選択しておきましょう。
報告者が不特定多数の場合はラジオボタンではなく、テキストボックスにするのもOKです。
※デメリット:報告のたびに文字入力する面倒さが生まれます
また、フォーム全体として必須回答にしていません。
クロノロは現場における記入漏れが多発します。
2-3:記載日時
記載日時は、クロノロにおける時間です。
※グーグルフォームは「タイムスタンプ」として「フォームを送信した時間」が別途記録されています。
空欄になっているものは、未記入の状態で送信したものです。
2-4:発信源・受信者
どちらも「テキストボックス」にすることもできますが、頻繁に発信される連絡先や、頻繁に受信することが想定される場合は選択肢として用意しましょう。
2-2で紹介したように「その他」の選択肢を用意すればテキストボックスになります。
2-5:内容
クロノロの記載内容を入力します。長文になる可能性があるため、「段落」を選びましょう。
このように「説明」をオンにすることで、「クロノロの内容を記載」のような説明書きが追加できます。
2-6:その他の情報
ここまでの項目では、以下のような情報が収集できます。
これらに加えて、デモ版では「タグ」を追加しました。
クロノロはあとから見直すために記録されます。
そのために何かしら重要な項目や見当が必要な項目などに目印をつけることができると便利です。
共有用スプレッドシートの右端に「タグ」の項目ができます。
3:フォームのリンク取得
ここまで作成したフォームに回答するためのリンクを取得します。
ここで取得したリンクを知っている人が電子版クロノロに入力ができます。
右上の「送信ボタンをクリック」
送信方法の中央を選択
URLを短縮を使うとURLが短くなり、便利です。
ここで表示されたURLが今回作成した電子版クロノロ報告フォームのリンクです。
右下のコピーから、各クロノロ報告者にURLを送信しましょう。
報告されると以下のように報告件数が見えます。
4:報告一覧を見る〈スプレッドシートを作成〉
3の最後に紹介した、回答を選択すると以下のようにこれまでの報告内容が見れます。
しかし、これではクロノロとしては読みにくいです。
ということで、「右上の緑のアイコン」をクリックします。
クリックすると以下のような画面が出ます。
ここで「作成」をクリック。
数秒で以下のようなスプレッドシートが作成されます。
こちらのシートは報告がリアルタイムに反映されるので見ていて面白いですよ!
5:報告一覧の共有
今の段階では4で作成したシートを見ることができるのはフォームを作成した人のみです。
これではクロノロとして使えないので、共有をします。
右上の共有ボタンをクリックすると以下のようなポップアップが出ます。
「一般的なアクセス」の「制限付き」をクリック
ここで、「リンクを知っている全員」を選択
上のようにな表示に変わります。
リンクを知っている人が「閲覧者」としてみることができるようになりました。
コメントや編集もする場合は、「閲覧者」をクリックし、権限の変更をします。
最後に、「リンクをコピー」をクリックし、共有します。
6:クロノロの解析
ここまでのステップで、報告フォームを作成し、報告一覧を複数人で見る環境を整えました。
最後に、クロノロの解析〈閲覧〉のしかたです。
6-1:タイムスタンプ
タイムスタンプはフォームを送信した日時を表します。
設定しなくとも自動で記録されます。
ご覧の通り、最新の報告が下になるように並べられます。
クロノロも基本的に下に行くにつれて最新情報になりますね。
6-2:フィルター機能
個人的に一番使える機能はフィルター機能です。
例えば、〇〇が報告したものだけを見る。「DMAT」と記入されたものだけを見る。ということができます。
まずは、AからHまでの列を選択。
このように青くなります。
ここで、右上の三角アイコンをクリック
フィルター機能が付くと以下のようになります。
フィルターをかけるにはフィルターしたい列の以下のボタンを押します。
「内容」でフィルターボタンを押した場合
ここで並べ替えや、キーワード検索ができます。
2-6で作成した「タグ」がここで活きてきます。
タグでフィルターをかけ、見直すことができます。
最後に
ここまでのステップで無料の電子版クロノロが作成できたはずです。
リンクを知っている人しか報告・閲覧ができない仕様ですが、もっとセキュリティーレベルを上げたい場合は特定の人にのみの共有もできます。
汎用化されているといっても過言ではない「グーグルフォーム」「グーグルスプレッドシート」を用いた電子版クロノロはいかがだったでしょうか?
自分たちのチームに合わせて項目の編集もできるので、何度も運用し、適したフォームを目指してみてください!
どんな項目にしよう?という方はこちらの講義を復習してみてはいかがでしょうか?
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