皆さんこんにちは!
災害医療大学です。
災害医療大学 災害医療概論 はじめます。
では一限目、「災害とはなにか」 やっていきましょう!
音声版は下の動画をご覧ください!
災害の定義と災害医療
災害の定義
さて、皆さんは「災害」と聞いて何を思い浮かべますか??
日本は災害大国とも言われます。日本は地震や大雨などの災害が頻繁に起きています。
地震や大雨などは一般的に自然が原因である、自然災害と言います。
しかし、災害は自然災害だけではないのです。まずは災害の定義を確認しましょう。
災害とは,その要因(素因や原因など)が自然的なものであれ人為的なものであれ,人間および人間社会になんらかの破壊力が加わって,人命が失われたり社会的財産等が失われることによって,それまでに構築されてきた社会的均衡が崩れることをいう。人間社会が構築している均衡というものは,歴史的な時代の違い,技術力の差,地域特性の違いなどによって異なる。すなわち災害の様相は自然的地域特性や文化的地域特性の違いによって異なるため,きわめて多様な現象となって現れる。
出典:世界大百科事典 第2版
要約すると。要因は何でもOK。人、社会にダメージが加われば「災害」となる。ということです。
重要なポイントは 要因は何でもOK というところです。
冒頭で挙げた地震や大雨などの要因は自然。つまり自然災害の分類になります。
また、テロなどの要因は人間。よって人為的災害の分類になります。
災害の分類に関しては2限目で紹介します。
災害医療での定義
では次に災害医療における災害とは何でしょうか?
人と環境の生態学的な関係における広範な破壊の結果、被災社会がそれと対応するのに非常な努力を要し、非被災地域からの援助を必要とするほどの規模で生じた深刻かつ急激な出来事
世界救急災害医学会〈WADEM〉元理事長 Gunn.W
簡単に要約すると、復旧するにあたって支援が必要なダメージのことですね!
つまり、自力で回復できる程度の規模では災害とは言わない。ということです。
「広範囲であること」、「当事者だけでは対処できない」の項目が加われば災害の仲間入りです。
日本における災害の定義
ここまで、災害の定義を見てきましたが、どちらもあいまいな定義で、絶対的な指標はありません。
災害に関する法律である、災害対策基本法を確認してみましょう。
災害対策基本法にはしっかりと災害が定義されています。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第一章 総則 (定義)
それでは、「災害時」と「非災害時」はどのように決められているのでしょうか?
災害対策基本法には災害緊急事態の布告が記載されています。
第百五条 非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第九章 災害緊急事態 (災害緊急事態の布告)
こちらは政府による災害緊急事態の布告です。他には自治体による「地域防災計画」で細かく決められています。
以上、災害医療概論 1限目「災害とは何か」でした。
では確認テストを終えた方から解散で~す。
確認テスト
第一問 災害の定義は自然的、文化的地域特性の差によって異なる
第二問 昔は災害であったものはすべて、現代においても災害である
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回答一 正しい 百科事典の定義参照
回答二 誤り 時代や技術力の差で災害ではなくなるものもある
次はこちらの講義をどうぞ!
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