皆さんこんにちは災害医療大学です。
皆さんはどのタイミングで「災害時」になると思いますか?地震の場合は震度いくつからですか?豪雨災害の場合、はどうでしょう?
基本的に災害時に活動する組織はそれぞれの基準ではありますが、災害時・平常時の基準を決めているはずです。その中でも法的に災害時の宣言を記載しているものが災害対策基本法です。
災害時に活動する人は災害時、平常時の境目をしっかりと把握しておく、何を根拠に自分たちの活動を行っているのか把握するためにも災害対策基本法を読んでおきましょう。
法的な根拠という観点で少し詳しい内容はこちらから!
災害対策基本法の解説
まずは災害対策基本法を簡単に解説します。
災害対策基本法は、防災に関する基本理念を定めたもので、必要な体制、計画を整備推進させるための法律です.
指揮命令系統や、責任の所在を見ることができるため、必ず一度は目を通してみましょう!
災害宣言の基準
災害対策基本法の内容を一つ一つ見ていくのはめんどくさい!という方はまず、災害宣言に関する条項を見ていきましょう!
そもそも「災害宣言」というものには2種類あり、「自治体による宣言」と「政府による災害緊急事態宣言」があります。
まずは政府による災害緊急事態宣言を見てみましょう。
政府による災害緊急事態
第9章:第105条に記載されています。
第百五条 非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第九章 災害緊急事態 (災害緊急事態の布告)
簡単に説明すると、「内閣総理大臣が災害だ!!と思ったら閣議にかけて災害緊急事態宣言をする。」です。
災害なのかの判断は絶対的な基準で行うのではなく、柔軟な判断を行うという形です。
自治体による宣言
自治体における宣言は第2節:第54条~56条に記載されています。
第五十四条 災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
2 何人も、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
3 第一項の通報を受けた警察官又は海上保安官は、その旨をすみやかに市町村長に通報しなければならない。
4 第一項又は前項の通報を受けた市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、その旨を気象庁その他の関係機関に通報しなければならない。
(都道府県知事の通知等)
第五十五条 都道府県知事は、法令の規定により、気象庁その他の国の機関から災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、又は自ら災害に関する警報をしたときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、関係指定地方行政機関の長、指定地方公共機関、市町村長その他の関係者に対し、必要な通知又は要請をするものとする。
(市町村長の警報の伝達及び警告)
第五十六条 市町村長は、法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知つたとき、法令の規定により自ら災害に関する警報をしたとき、又は前条の通知を受けたときは、地域防災計画の定めるところにより、当該予報若しくは警報又は通知に係る事項を関係機関及び住民その他関係のある公私の団体に伝達しなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、住民その他関係のある公私の団体に対し、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき避難のための立退きの準備その他の措置について、必要な通知又は警告をすることができる。
2 市町村長は、前項の規定により必要な通知又は警告をするに当たつては、要配慮者に対して、その円滑かつ迅速な避難の確保が図られるよう必要な情報の提供その他の必要な配慮をするものとする。
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二節 警報の伝達等(発見者の通報義務等)
法的に明確な基準は記載されていませんが、各自治体の判断に任せられています。
各自治体の判断は「地域防災計画」に準ずるので、地域防災計画を見れば大体はわかると思います。
災害対策基本法を読んでいて思いましたが、やっぱり医療よりも、搬送や自衛隊に関するところが多かった気がします。
以上、災害対策基本法でした。
コメント