皆さんこんにちは!
災害医療大学です。
トリアージは命の選別だ!と叫ばれることがありますが、
なぜトリアージを行うのかわかればトリアージの方法にも納得ができます。
「トリアージ特別講義まとめ」はこちら!
トリアージ触れる前にまずは災害医療の特徴をおさらいしましょう。
トリアージは医療資源を効率的に使うため
災害医療概論3限目 「災害医療の特徴」を見てみましょう。
災害医療には3つの特徴があり、
●需要が供給を上回っている
●災害医療では最大多数の傷病者の救命と後遺症の軽減を図る
●そのため、「搬送」「トリアージ」「安定化療法」を行う
とありますね。
トリアージに大きくかかわっているのは上の2点です。
トリアージは「医療資源を効率的に使う」という考え方に基づいています。
もしもトリアージをしなかったら?
もしもトリアージの考え方がなかったらどうなるでしょうか?
早い者勝ちの医療だとしたらどうでしょうか?
医療資源が豊富にある環境ならば問題ありませんが、
災害医療の現場においては「場所」「人」「物資」が足りていません。
やみくもに治療を行えば本来助かるかもしれない命が
重症の人から順にこぼれてしまいます。
現状の医療資源・技術で助けられたのに・・・
これを「防ぎえた災害死」といいます。
ポイントは「重症の人から亡くなってしまう」という点です。
逆に言えば重症の人から治療に取り掛かればよいわけですね。
重症の人を安定化さえすれば医療資源を有効活用できます。
トリアージの区分については後日講義しますが、
優先順位の高い「赤色」の負傷者は「バイタルが安定していない」という特徴があります。
つまり、トリアージを行う理由は防ぎえた災害死を減らすためです。
災害時にしかトリアージはしないの??
災害時には必ずトリアージをする。
というわけでもありません。
逆も言えます。
トリアージを行うのは「需要が供給を上回っているとき」です。
搬送できる人数より多くの負傷者がいる→現場でのトリアージ
病院のキャパシティーより多くの負傷者が来る→救護所トリアージ
このように、優先順位を付けたほうが効率的に命を救える時にトリアージを行います。
トリアージの種類についてはこちらです。
さて、今回はトリアージを行う理由をお話ししました。
なぜトリアージが必要なのかかはわかりましたか?
では、確認テストを終えた人から解散で~す。
確認テスト〈正誤問題〉
第一問 トリアージにおいてはより重症の人から治療を行う
第二問 トリアージは災害医療の時にしか行わない
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回答一 正しい 基本的には重症の人から治療を行う。しかし、現状の医療で救命できる負傷者に限る。
回答二 誤り 平常時でも需要過多になると行う。
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