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災害派遣精神医療チーム(DPAT)とは?災害精神医療の動きを時系列で解説!

まとめ

DPATとは精神医療に特化した都道府県により派遣されるチーム
災害時の精神ケアは重要

皆さんこんにちは!災害医療大学です。

DPATという組織を聞いたことはありますか?

僕も日本災害医学会に参加するまでは全然知らなかった組織です。

  

災害時における地元の支援者も被災者の一人です。

家族の安否が確認できていなくとも支援している人もいます。

また、派遣された支援者も、土地勘のない突然の壮絶な環境の中で活動するため、大きなストレスの中で活動しています。

 

ということを念頭に見ていきましょう!

  

他にも災害時に活動する団体がたくさんあります!

こちらもどうぞ!

  

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DPATの正式名称

DPATとは何の略でしょう?

厚生労働省のDPAT活動要領によれば災害派遣精神医療チーム Disaster Psychiatric Team

の頭文字のことです。

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DPATのチーム構成

まずはチームの構成を見ましょう。

  • 精神科医師
  • 看護師
  • 業務調整員

1チームの人数は明記されていませんが、車で移動できるくらいの人数です。

活動期間は1週間が標準です。

 

DPATとは平時は精神科医療の中枢的機関としての役割を担い、発災時には都道府県により派遣される。

ということですね。

 

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災害サイクルで見る災害精神医療の動き

DPATは災害精神医療を担う訓練を受けたチームです。DPATの活動を見る前に、災害精神医療の動きを確認しましょう!

超急性期(発災から数日)

発災から数日は、精神科医療機関等が被災した場合の搬送、精神医療の提供継続のための支援を行います。

つまり、発災以前からの精神医療需要にこたえる体制の整備を行います。

急性期(発災から数日~数週間)

被災者は避難所生活を行っています。避難環境等のストレスにより、メンタルヘルスが悪化します。精神的な不調により不眠・不安・イライラなど、新たな精神疾患の対応をおこなう必要があります。

新たな精神疾患の対応だけでなく、メンタルヘルスの保持のため、精神保健福祉活動を行います。

精神医療を必要とする人は被災者だけでなく、支援者も含まれます。

慢性期(発災から1月~数か月)

避難所生活が続き、復興なども進んでいる段階です。DPATなどの支援団体は撤収しており、地域の精神医療・福祉体制で医療ニーズに応えます。被災者の中でもメンタルヘルスを悪化させている人や、悪化するリスクのある人を探し出すスクリーニングや、啓発活動を行います。

慢性期以降(発災から数か月以降)

地域の精神保健福祉システムの運用が安定してくる時期です。この時期からはPTSD(心理外傷後ストレス障害)の方の対応を行います。

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DPATの活動内容

DPATの活動期間は発災から1月ほどになります。そのため、大きく分けると以下の3つの事を行います。

  • 精神科病院への支援
  • 地域住民の精神科医療の確保
  • 被災地の精神保健福祉活動

DPATの具体的な活動内容はたくさんあるのですが、今回は抜粋します。

  • 情報収集・アセスメント
  • 災害によって障害された既存の精神医療システムの支援
  • 災害のストレスによって新たに生じた精神問題を抱える一般住民への対応
  • 支援者の支援

なぜ精神医療の分野がDPATのように独立しているのでしょうか?

被災地において精神のケアがそれだけ重要ということです。

  

災害医療概論の中でも話しましたが、被災者も、支援者のも精神的ダメージを受けます。

これから災害医療を学ぶのであれば、知っておきましょう。 

参考:DPAT活動要領

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DPATへの相談件数はいつが多い?

令和3年度の厚生労働省科学研究費補助金で行われた「活動データからみたDPAT活動基準の検討」において、DPATの活動を災害時診療概況報告システム(J-SPEED)のデータから抽出しています。

こちらの研究の中ではDPATへの相談件数を発災からの時間別で集計していますので、DPATへの相談件数(精神保健の需要)が多い時期を少しだけ抜粋してご紹介します!

災害別のデータでは、水害関連では、発災から1週間以内に件数のピークが生じるが、2週目においても、対応件数が維持される例もあった。被災の程度にも影響している可能性があることが想定された。比較的軽度であれば、初期の対応後、比較的スムースに減少し、安定することがある。一方、水害の場合、徐々に水位が上がり被害が拡大していくと、後半に影響が出現して、対応ケースが出現する事もあった。地震と比較して、ピークが変動しやすい可能性も考察された。

活動データからみたDPAT活動基準の検討

この考察ように、災害の種類によって精神医療のニーズが高まる時期は変化します。

DPATや、災害時の精神医療に関する研究も徐々に行われておりますので、最新の研究などを見ると今のトレンドがつかめるかもしれませんね!

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誰もが学ぶべき災害精神医学・保健医療

DPATのような災害時の医療ケアの中でも精神医学に特化したチームがあるように、災害医療において精神医学的なアプローチの重要性はとても高いです。

「自分は関係ない」という正常性バイアスはだれにでも働いています。

  

あなたが被災した時、あなたが支援に入った時、いつ、どんなタイミングで精神的にダメージを受けるかはわかりません。

精神的にダメージを負った人と接するかわかりません。

  

今だからこそ、「災害精神医学」を学んでみませんか?

僕のオススメの教材はこちらです。

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感想(0件)

とても読みやすく、災害医療におけるある程度の知識があれば問題なくついていけます。

幅広い知識を得ることができます。

  

さらに高度に学びたい方はこちらがオススメです!

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精神的なダメージを負った方と接するという点では、WHOが公開している、PFA(サイコロジカルファーストエイド)を読んでみるのもオススメです!

自治体の災害時精神保健医療福祉活動マニュアルが厚生労働科学研究費補助金で制作されました。こちらにもDPATの活動や、精神保健システムの開設があります!


以上、「DPATとは何か」でした。

では、確認テストを終えた人から解散で~す。

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確認テスト

第一問 DPATは1チームで約1週間活動する

第二問 DPATはDMATの一部隊である

回答一 正しい

回答二 誤り

 

次はこちらの講義をどうぞ!

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