皆さんこんにちは!
災害医療大学です。
今回はマスギャザリング災害と、その対策を見ていきましょう!
マスギャザリング災害とは何か?
「マスギャザリング災害」という言葉を普段から耳にすることはありますか?
一般的な方ならなかなか耳にすることはないと思います。
東京オリンピックがヒントです!
東京オリンピックの話があがってきたころから少しずつ広がってきた言葉な気がします。
それでは「マスギャザリング」の定義を見てみましょう!
日本災害医学会によると、
マスギャザリング =「一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」
一般的には、大規模イベントや各種スポーツ競技会・コンサート・大規模花火大会などがこれにあたる。
とのことです!
とってもわかりやすいですね!
日常ではありえないくらい人が集まるから傷病者が出る可能性も高く、
何かしらの要因でたくさんの傷病者が出る可能性も高まります。
イベント等を主催する人も、イベント等に参加する人も気にかけなければなりませんね。
どんな災害が起きるの?
過去にも様々な理由でマスギャザリング災害が起きています。
いくつか例をあげます。
サッカーを例にすると、「ヒルズボロの悲劇」「ヘイゼルの悲劇」があげられます。
観客が興奮した。
という理由で200~400人の負傷者が発生しました。
見落としがちですが、
マラソン大会での熱中症 というのもマスギャザリング災害になります。
他にもテロや地震、火災も含まれます。
災害医療では(DMAT)は何をするの?
災害医療大学にいらっしゃる皆さんが一番興味あるところだと思います。
東京都が主催する大規模イベントにおける医療・救護計画ガイドライン
を参考に見ていきましょう!
このガイドラインでは、医療機関のほかに、
東京DMAT(福祉保健局)が計画に組み込まれています。
有事の際に受け入れ等ができるような事前調整、
トリアージ・搬送です。
簡単に言うと一般的な災害医療ですね。
マスギャザリング災害での特徴は
事前調整が有効的であるということです。
イベントの日時・場所が決まっているので、
事前調整で防ぎえた災害死を減らすことができます。
災害によってどんな対応をするの?
一言でマスギャザリング災害といっても、
要因は様々です。
東京都が主催する大規模イベントにおける医療・救護計画ガイドライン
においては、テロ災害、NBC災害、雑踏事故、大規模地震、火災、熱中症、その他
で分類されています。
テロ災害
テロ災害においては避難者の中にもテロリストが潜んでいる可能性等、
安全の確保が一段と重要になってきます。
要因として爆破、銃、刃物、車両が想定されています。
爆傷の場合はターニケットが有効とされています。
ターニケットの使い方を学んでおく必要がありますね!
また気胸等、爆傷特有の傷害もあるので爆傷についての訓練も有効です!
創傷についてはターニケットが有効ですが、
車両によるテロにおいては高エネルギー外傷が考えられます。
とにかく専門の救急医療機関への搬送が優先です。
NBC災害
とっても特殊な災害のため、
「東京DMAT特殊災害チーム」が派遣されます。
雑踏事故
イベントの規模にもよりますが、会場付近では人混みができるため、
いかに誘導をうまく行うかで予防することができます。
避難所を設置する際にも導線が必要です!
導線を意識するとまた違った見え方ができます!
大規模地震
会場に限らず、倒壊や火災などの二次災害で大量の負傷者が予測されます。
ここでは詳しく書きません。
火災対策
事前に消防庁と対策を行いますが、
火災発生時には初期消火が重要になります。
熱傷患者が想定されるので、熱傷についての知識も必要ですね。
熱中症対策
夏季など、暑い時のイベントでは対策が必須です。
参加者だけでなく、スタッフに対しても対策を行いましょう。
その他
最近流行の感染症・気象災害があげられます。
それぞれ災害によって対処が異なるので臨機応変な対応が必須です。
今回はマスギャザリング災害についてまとめました。
人が集まるところに災害はつきものです。
とにかく事前の調整が大切ですね!
次はこちらの講義をどうぞ!
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