皆さんこんにちは!
災害医療大学です!
以前災害処方箋について取り上げました。
2021年11月30日に発行されたジャーナルに興味深い短報が掲載されていたのでご紹介します!!
※できるだけ論文を読んでいただきたいので、詳しくはご紹介しません〈笑〉
そもそも災害処方箋って何??という方はこちらへどうぞ!
以下論文の内容を引用します!
論文概要
熊本地震で保険薬局にて応需した災害処方箋の分析
掲載ジャーナル:医薬品情報学
論文の本題に入る前にまずは熊本地震の状況を確認しましょう!
熊本地震の概要
そして、医療関係はこのようになっています。
基本的に災害処方箋は救護所・避難救護センターで発行され、救護所・避難救護センター・モバイルファーマシー・保険薬局で調剤されます。
今回紹介する論文の調査対象は2016年4月20日から5月29日の間に当該薬局で応需したすべての災害処方箋・薬歴記載事項となっています。
結果
最終的に災害処方箋は129枚応需され、処方箋の不備・疑義が見つかったのは96枚。
つまり、応需された災害処方箋のうち74.4%もの処方箋に不備が見つかりました。
不備の内訳は下の図のようになっています。
具体的な不備の内容は論文にて紹介されているのでぜひチェックしてみてください!
考察等々
災害処方箋の不備の多さ
今回の論文の中では、災害処方箋における不備率が高い原因は、
「災害処方箋が手書きであり、用法を正式に記入するのが煩雑であったため」と考察されています。
確かに災害処方箋は白紙に直接書くことでも「災害処方箋」として扱うことができます。
災害時のバタバタしているときに日数や用法等の細かいところに気を配るのは難しいかもしれませんね。
保険薬局が災害処方箋を応需する準備
論文の中では、保険薬局が災害処方箋を応需することについても言及しており、「明確な規定がないため、混乱を生じる可能性がある」と述べています。
災害処方箋の扱い方等の勉強会等を平常時から行う必要があるかもしれませんね~
形式的疑義照会と薬学的疑義照会
処方箋への記載事項の不備による疑義照会を「形式的疑義照会」。
薬学的知識による判断が必要な疑義照会を「薬学的疑義照会」と分類します。
災害処方箋における疑義照会では「形式的疑義照会」が大半を占めていたため、運用方法の改善などが求められています。
形式的疑義照会はチェックをすれば簡単に解決するはずの問題なので、いかに早く「手書きモード」から通常モードに戻れるか?が大切ですね!
さて、今回の論文はいかがだったでしょうか?
また気になった論文がありましたらご紹介しようと思います!!
興味を持たれた方はぜひこちらから論文をご覧ください!
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