みなさんこんにちは、災害医療らぼです。
テロといったら皆さんは何を想像されるでしょうか?
近年では日本においてもテロ事件の可能性等がささやかれていますね。
自分の身を守るためにも、災害医療として活躍するためにもまずは敵を知りましょう!
CBRNE災害とは-テロに使われる5つの災害
CBRNEとは化学・生物・放射性物質・核・爆発物による災害の総称です。
以下の頭文字になります。
- Chemical:化学〈サリン・塩素ガス〉
- Biological:生物〈天然痘〉
- Radiological:放射性物質〈ダーティボム〉
- Nuclear:核〈原爆〉
- Explosive:爆発物〈圧力なべ・TNT〉
このように、普通の災害とは異なる処理が特殊な災害を指します。
一つずつ見ていきましょう。
C:化学
いわゆる化学兵器を用いたものです。
例として「地下鉄サリン事件」が挙げられます。
有害な化学物質を用いたテロのため、救援に向かった人がさらに被害にあうことがあります。
塩素ガスのように見える場合は良いのですが、無色・無臭の場合はより危険です。
安全確保のためには汚染物質を検出する技術が必要のため、救援までに時間がかかります。
B:生物
バイオハザードといえば想像つくと思います。
生物由来の毒・感染症による災害です。
例としてフロリダ・NYなどで起きた「炭疽菌」によるテロなどがあります。
世界やその地域から根絶された天然痘のような感染症は現代の人は予防接種等を行っていません。
そのため、保管している菌株からばらまかれると再度大量感染を起こすことになります。
戦時中はペストにかかった死体を敵地に投げ込むなどもありました。
〈それだけ生物兵器は影響力が強いということです〉
R:放射性物質
放射性物質ということで、放射線による汚染のあるパターンの災害です。
爆弾に放射性物質を入れて爆発させるだけ〈ダーティボム〉で、テロに使われやすいと考えられます。
放射線による影響なので、一見違いがわかりません。
テロ以外には、原子力発電所の事故なども含まれます。
アメリカなどでは爆発による患者を病院に搬送する際、病院の入り口などで除染を行うそうです。
ダーティボムの対策が行われている証拠です。
医療対応は初期・二次・三次被ばく医療機関で行われます。
N:核
核爆発による災害です。
基本的に放射性物質もまき散らされるので、除染等が必要です。
爆発の規模が桁違いなので、テロというよりは戦争なのでは?と思います。
医療対応は初期・二次・三次被ばく医療機関で行われます。
E:爆発物
CBRNEのなかでコスパ最強の災害です。
CBRNEのほかのものは入手・作成困難ですが、爆発物のEに関してはペットボトルにドライアイスを入れるだけでできてしまいます。
※推奨しているわけではありません
つまり、何発も仕掛けやすいともとらえられます。
最初の爆発が起きてから1時間もたてばやじうま・救援者が集まってくるでしょう。
ここでもう一発「ドカン」。
大量の傷病者の出来上がりです。
このようなことが考えられるため、安全確認が難しく(ほかの爆発物がないかの確認等)救援に入るまでの時間がかかってしまします。
⽕薬学会爆発物探知専⾨部会編 爆発物探知・CBRNE テロ対策ハンドブックでは以下のように距離を取る用に記載されています。
一般社団法人日本CBRNE学会
CBRNE災害対策の必要性が高まり、CBRNEに関する学会も設立されています!
今回はここまで。
CBRNEはテロなどによく使われるため、マスギャザリング災害としても気を付けるべきですね。
確認テストが終わった人から解散でーす
確認テスト
第一問 地下鉄サリン事件はCBRNE災害に分類される
第二問 医療者は発災後すぐに救援に向かうべき
↓
↓
↓
↓
解答一 正しい
解答二 難しい すぐに向かわないと助けられませんが、安全確認も重要です。
災害医療の中でもCBRNE研修というものもあります。
CBRNEに関連する資料・書籍・サイト
本記事作成にあたり参考にした書籍・資料・サイトです。ぜひご覧ください!
The History and Science of CBRNE Agents, Part I Capt. G. Shane Hendricks1* and Dr. Margot J. Hall2
コメント